今回は前回ご紹介したシケモク4銘柄を売却し、より多くのシケモク銘柄を購入することにしました。
基準は、「賢明なる投資家」で有名なグレアムの、正味流動資産価値(流動資産ー総負債)の2/3の時価総額で買えるかです。
前回の記事の4銘柄はほぼ値動きがなく、若干のプラスのまま売却しました。(一部は今回の分散で再購入)
前回の記事→ https://www.francaleu.com/entry/2020/04/14/022215
ネットネット株を購入した理由
購入したのが5/15(一部約定しなかった銘柄は5/18に購入)だったこともあり、現在はコロナ相場の真っ只中です。この状況では、ハイテクではないバリュー株であるということ、大きな流動性を持つ強いバランスシートを持つということ、この2つがネットネット株を分散投資するための良い環境を作っているように感じます。
とはいえ、恐らく衰退産業である日本株のネットネットを集中購入するのは、あまり褒められたものではないと思います。前回では、4銘柄に絞っていましたので、これはただの集中投資じゃないか!と思い直し、分散した買い方をすることにしました。(正直、シケモク4銘柄購入時の認識が甘かったと思います)
購入する際の条件は簡単です。正味流動資産を時価総額で割り、その値が1.5以上のものを購入していきました。つまり、本質価値に対して2/3以上のディスカウントで購入できる銘柄を選んだわけです。
購入にあたり、銀行株や一部約定しなかった銘柄は除外しました。銀行株は独特のBSなどよく分からないことが多いので除外しました。また、5/15に注文を出して、約定しなかった銘柄については5/18にも注文を出しました。それでも約定しなかった、7422,5971,7021は購入を見送りました。流石に流動性がなさすぎでした。
上記の条件に該当する銘柄を「全て」購入しました。その結果、96銘柄になりました。ちなみに今回購入したのシケモク96銘柄が僕の全ポートフォリオの1/3を占め、後は全て現金です。(第2波を8割位の確率で予想していたのと、そもそもまだ英語の財務諸表を読むのに慣れていないので銘柄探しができていないのが原因です。)
ネットネット株96銘柄の期待リターン
今回購入した銘柄は、正味流動資産価値が時価総額の1.5倍から3倍の銘柄です。今回は、購入時の正味流動資産価値が毀損しないのを前提に、時価総額が正味流動資産価値の90%を超えた場合のリターンを期待していきます。もちろん、実際はどうなるか分からないので、これはあくまでも目安として算出します。
まずは時価総額の1.5倍の銘柄から見ていきます。
購入時の時価総額をxとすると、売却時の時価総額は正味流動資産価値が90%を超えたときなので、1.5x * 0.9 = 1.35xとなります。よって、2年の保有期間で35%のリターン、複利で年利16%となります。
次に時価総額の3倍の銘柄についても同様に計算すると、2年の保有期間で270%のリターン、複利で年利64%のリターンとなります。
こんなに上手くいくとは思いませんが、日本株のネットネット株のデータが世の中にあまり出回ってないのでどうなるか気になります。このグレアム・ニューマン社が行っていた方法は、米国株で20%/年のリターンをあげていたものです。これが日本株にも通用するのなら、有価証券報告書などを読んで企業を精査するより、まとめてネットネットを買った方が手っ取り早く、かつ儲かると言うことになってしまいます。
これはある意味誘惑で、ネットネット株バスケット買いが通用するかもしれないと思っている状況で、個別株投資に精をあげるのは精神的に少し難しいところがあります。なので、甘えをなくすためにも、今回の投資で得られる教訓は貴重なものになると思います。
ネットネット日本株ポートフォリオの運用方針
今回ネットネット日本株に投資する上での、売却条件はシンプルです。
「時価総額が正味流動資産価値の90%以上になったら売却する」
これは損切りと利確、両方の条件を備えています。自分で言うのもなんですが、シンプルで美しい売却条件だと思います。
毎月1回このシケモク分散ポートフォリオの見直しを行います。目安として、毎月15日にできたらいいなと思います。その際、売却条件を満たすかどうかの見直しに加え、新規銘柄のスクリーニングも行います。
このスクリーニングでは、正味流動資産価値/時価総額が1.5以上で、かつ直近1年以内に売却していないと言う条件を満たすものを探します。売却してから1年経過している銘柄の場合は、売却時と状況がどのように変わったかを精査してから購入することにします。
このPFがどうなったかを、このブログで公表していく予定です。
20/5/15追記
新規ネットネット銘柄の購入はしない方針としました。以後、このPFの保有銘柄数は減ることはあっても、増えることはありません。
というのも、今回のシケモク96銘柄PFの主な目的は、ネットネット株の平均回帰を調査することです。(もちろん利益を出すことも)
時価総額が正味流動資産価値以下の株を購入するというグレアムの方針はワークするか、の検証を優先します。
半年後の結果は下記の記事で