今回はシケモク銘柄を4つ購入しました。
現在のキャッシュ比率が70%とやや低いので、80%にすべくシケモク銘柄を購入することにしました。
初シケモクです。
2020/04/13取引内容とポートフォリオ
今回購入した銘柄は4つのシケモクです。
1793大本組、1905テノックス、5900ダイケン、8995誠建設です。
それぞれ購入単価は、4,185円、730円、679円、458円です。
2020/04/13取引理由
今回シケモクを選んだ条件は、
スクリーニング条件 |
|
自己資本比率 |
60%以上 |
流動比率 |
150%以上 |
配当利回り |
直近決算で配当している |
フリーCF |
黒字 |
PBR |
1.3倍以下 |
シケモクのスクリーニング条件
このスクリーニングを4/4に行ったところ766銘柄該当しました。これで最低限の条件で絞れました。
次に、グレアムの基準である正味流動資産(流動資産ー負債)について調べてみたところ、下記の通りになりました。
条件I:負債が正味流動資産の110%以下
時価総額が正味流動資産以下 |
202銘柄 |
Iも満たすのは168銘柄 |
時価総額の2/3が正味流動資産以下 |
68銘柄 |
Iも満たすのは57銘柄 |
という訳で、時価総額の2/3が正味流動資産より低い、かつ、負債が正味流動資産の110%以下の57銘柄について見ていきます。
まだ銘柄数が多いので、更に条件を厳しくしていきます。
過去6年間の決算で赤字を出したものを除外し、正味流動資産の⅔と時価総額の差が1億円未満のものを除外しました。
更にダメ押しで、PER×PBRが22.5以上を除外し、過去4年間で営業利益が右肩下がりのものを除外しました。
その結果残った銘柄は16銘柄です。
次に16銘柄について四季報(コロナショック前の2020年春号)を読んだ結果、営業利益が増益予想や、増配予想などの何かしら価格上昇が期待できるものに絞りました。
そして最後に、その結果残った8銘柄の清算価値を計算し、一株あたりの清算価値が株価を上回っているもの、つまり今回購入した4銘柄となりました。(単位百万円)
シケモク4銘柄の清算価値の計算方法
銘柄名 |
清算価値計算方法 |
大本組 |
現金100%、受取手形・完成工事未収入金70%、有価証券70%、未成工事支出金0、投資有価証券70% |
テノックス |
現金100、受取手形及び完成工事未収入金0.7、電子記録債権0.7、未収入金0.7 |
ダイケン |
現金100、受取手形及び電子債権及び売掛金70、商品及び製品67(原材料費)、原材料及び仕掛品50、投資有価証券70、賃貸用不動産70 |
誠建設 |
現金100、受取手形完成工事未収入金70、販売用不動産及び仕掛販売用不動産70、未成工事支出金0、投資有価証券70 |
表記方法がバラバラで申し訳ないのですが、70% = 70 = 0.7という意味で使っています。
上記の表を見ての通り、今回考慮したのは賃貸用不動産を除けば流動資産のみです。固定資産をほぼ0と見なす厳しい評価ですが、現在コロナショックであるということを鑑みると、有形資産が平常時の様な取引価格で売却できない可能性が高まります。むしろ、価格がついて取引が成立すればいい方だ、という事にもなりかねません。したがって、今回は流動資産に重点を置きました。
流動資産の算定においても、受取手形や有価証券などは通常時ならば90%や80%と計算するところを、今回は厳しめに70%としています。
今回の厳しい算定よりも安く購入できるものは十分安全域が確保できるとして、購入する事にしました。購入する際の割合は、(清算価値ー時価総額)/ 時価総額 = 安全余裕度を参考にしました。この安全余裕度を合計したものを100とし、それぞれの各銘柄の割合に応じて購入しました。(誠建設は割合が多くなりすぎる為半分として計算しました。この恣意的な介入が吉と出るか凶とでるか...)
参考
安全余裕度:大本組13.8%、テノックス9.82%、ダイケン32.4%、誠建設86.8%
シケモク4銘柄の売り時と期待収益率
購入する際に売り時を決めておかなければ(決めれなければ)、根拠に基づいた判断をした投資とは言えません。
とは言っても今回は簡単です。先程算定した清算価値を株価が上回ったら売却します。また、コロナ禍が収束次第、清算価値を修正する予定です。その場合は上方修正になると考えられるので、期待リターンは更に上昇します。
次に、今回のシケモク4銘柄の期待収益を計算していきます。コロナ禍が2年後に収束すると仮定し、3年後に現在の清算価値と同程度になると仮定します。
基本計算式:(清算価値/購入時の株価)^1/3
銘柄名 |
3年平均の期待収益率 |
配当利回りを加えた場合 |
大本組 |
5.8% |
9.3% |
テノックス |
4.2% |
8.7% |
ダイケン |
13.7% |
15.9% |
誠建設 |
24.2% |
29.7% |
今回の収益率を達成できないリスクは下記の通りです。
a.コロナ禍後に景気後退入りするリスク
b.清算価値と同程度まで株価が回復しないリスク
a.コロナ禍後に景気後退入りするリスク
aについては、マクロ経済の予想なので何とも言えません。ただ、コロナによる自粛の後では、景気は回復すると考えています。根拠は主に2つです。
1つは、コロナの影響が顕在化する前の2019年、イールドスプレッド(米国債10年物利回りー株式益回り)がそれほど高い水準ではないからです。下記のグラフS&P500とS&P500のPERを用いたイールドスプレッドを表したものです。
イールドスプレッドがマイナスということは、米国債に対して株式にしっかりとリスクプレミアムがのっているということです。リーマンショックやITバブル時のような、高いスプレッドにはなっていません。十分持続可能な水準だったと考えられます。
(参考 https://www.motleyfool.co.jp/archives/6902)
2つ目の根拠は、気分的な問題です。コロナで自粛ムードが高まる中、収束した暁には開放的な気分に皆さんなるのではないでしょうか。何日も家にいるのは辛い物です。人間の仕組みは1万年の間変わっていないので、ずっと家にいるようには出来ていません。体を動かさないといけないようになっています。
従って、気分的な面で抑圧されていた消費は活発になると思います。現代では外出すると何かしらお金を使うようになっているので、消費は十分回復出来ると思います。
以上2つの根拠から、コロナ収束後は景気は回復すると予測します。
b.清算価値と同程度まで株価が回復しないリスク
低PBRには低PBRの理由があり、大体は低PBR状態はずっと続きます。
今回投資した4銘柄について、特定株の割合は上から、70%、40%、60%、73%です。TOBの可能性はほぼないでしょうし、MBOも元々低PBR経営をずっと行っていた経営者がする可能性も低いです。
となると株価の上昇の為には、増益や増配などの収益に基づいたカタリストがあることが望まれます。幸いにも、今回投資した4銘柄についての四季報の情報から、カタリストは期待できます。
(四季報は2020年春号)
大本組:19.3は120円だったが、20.3は150円、21.3は150~160円と増配予想
テノックス:19.3は30円だったが、20.3は33円、21.3は34~36円と増配予想
ダイケン:営業利益は19.2で252百万円だったが、20.2で320百万円、21.2で350百万円と増益予想
誠建設:営業利益が19.3は169百万円だったのに対し、20.3の予想は100百万円とコロナの影響を考慮し落ち込むことが予想されているものの、21.3は190百万円と増益予想
したがって、シケモク銘柄の割には増益や増配などのカタリストを期待できます。既に市場は織り込んでいる可能性はありますが、恐らく今回のコロナで折り込みの影響は剥げ落ちたでしょう。
よって、a,bのリスクに対して、ある程度ヘッジは出来ていると考えられます。
私のシケモク4銘柄投資の感想
今回のシケモク4銘柄は、財務諸表は見ましたが有価証券報告書等を読み込んでいません。各社の事業内容と事業のリスクくらいは読みましたが、その内容を投資判断に活かせてはいません。完全に財務諸表の数字と四季報の予想を頼りにしています。
シケモク銘柄は深く入れ込むつもりはないので、この程度でいいとは思います。ただ、何か重大なことを見落としているのではないかという気持ちにもなります。それなら最初から、徹底的に調べて投資できる、堀が深く将来性のある企業に投資する方が良いのではと思ってしまいました。
また、2銘柄(大本組とテノックス)はそれぞれ3年間の平均期待収益率が5.8%、4.2%とちょっと低いな~と思います。配当利回り(コロナ不況下なので期待はあまりしていません)を含めても9.3%、8.7%とまずまずという感じです。
期間を3年ではなく2年で清算価値程度に株価が上昇すると考えると、8.9%と6.4%です。ただ、2年では十分に安全域を確保しているとは言い難いです。投資しないことも考えましたが、シケモク投資で分散をしないのは怖いので結局購入しました。
今回はシケモク投資をするのが初めてなので、結論を出すのは現時点では早いように感じます。したがって、今は急がずじっくりと経過を観察していきたいです。