バリュー投資〜CFと投資先日記〜

資産形成を目指すべく行った日々の活動を記録しています

市場はランダムウォークではなく秩序と無秩序の状態を行き来している

 

昨今ランダムウォーク理論は市民権を獲得しつつあります。しかし、市場をランダムだと結論づけるには無理があります。とはいってもランダムウォーク理論は全くの間違いだというわけではありません。少し足りないだけです。その足りない部分を補ってくれるのが、複雑生科学なのです。

というわけで、今回はランダムウォーク理論に触れつつ、その矛盾を複雑性科学で説明していきたいと思います

ランダムウォーク理論

簡単な説明

この理論は簡単にいうと、市場はランダムに動くから予想なんてできない、というものです。

正確にいうと株式市場においては少し違います。世界経済は長期的にみれば成長し続けているので、インデックス(市場平均)も長期的にみれば成長を続けています。なので、短期だとランダムですが長期的に見たら右肩がりであると予想できるのです。こういった理由からインデックス投資が最近日の目を浴びつつあります。

世界経済が成長し続けるとは限らないのではないか、と思う方もいるかもしれませんが心配することはありません。現代資本主義は成長なくして存続できません。なのでとまったらとまったで、お金の価値がなくなり予想を当てようが当てまいが関係なくなります。

もっと詳しく知りたい方は、ウォール街のランダムウォーカーという本を読むことをお勧めします。

なぜランダムだと言えるのか

コインを投げてでた結果を記録していくと、株価などを表すチャートと非常に似たものができるので、株式などの市場もコイントスと同じようにランダムに値動きしているのではないかと考えられます。

高校数学の確率の問題でもランダムウォークは出てきます。下図のように表が出たら前の値に対して+1、裏が出たら前の値に対して−1していくのです。

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(出典:http://cai.cs.shinshu-u.ac.jp/sugp/Material/UniversalDesign/Probability/i_04-02-02-02.html

コインの裏表が出る確率はそれぞれ50%なので、コイントスによって得られた結果もランダムです。コイントスによって得られた結果が株式市場などの市場のチャートと非常に似ているので、市場もランダムだと考えられます。

ランダムウォーク理論の矛盾

ランダムウォーク理論は市場の値動きをランダムだと言います。

では、市場はランダムだから予想するのをやめるべきだと言われて、納得できますでしょうか。確かに上で本を読んだ後だと、予想なんて無意味でインデックスに投資すべきだという結論になると思います。

しかし、短期売買で定期的に利益を上げている人が存在しているというのも事実です。このことは違和感なく受け入れることができると思います。実際に皆さんも、勝ち続けている人をご存知でしょうから。

全てがランダムである場合、この事実を説明できません。市場はランダムなのに勝ち続けている人達が存在していることは、矛盾しています。

短期トレードでは売買に関するコストがどんなに少なくとも、0になることはありません。このマイナスサムゲームで勝ち続けている人が存在しているということは、何かしら法則が存在するはずです。まぐれで何年も勝ち続ける確率は極めて0に近いのですから。

その何かしらのパターンとは?

みんさんご存知、ダウ理論で有名なトレンドです。

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(画像引用元:https://kabusyo.com/chart/chart12.html

ランダムウォーク理論ではトレンドが発生している状態もランダムだと説明しています。コイントスで作ったランダムウォークのグラフでもトレンドに似たようなものが発生するから、というのがその根拠です。しかしトレンドが偶然の産物なら、トレンドを基礎にしているトレーダーは期待値的に、ほぼ全員が退場することになってしまいます。これでは実際に勝ち続けている人がいる事実と矛盾します。

そこで、複雑性科学の出番です。ここからはランダムウォーク理論に代わって、複雑性科学を用いて説明していきます。

複雑性科学

複雑系とは何か

金融市場は複雑性科学により定義される複雑系であると捉えることで、ランダムウォーク理論の矛盾を解決します。

では、そもそも複雑系とはなんなのでしょうか?まずは、複雑系である条件について見て市場がその条件に当てはまるか見ていきましょう。複雑系であるというにはこれの全て、または大半を満たしているべきだと研究者の中で言われています。

注)複雑系の明確な定義はまだ決まっていないです。

複雑系である条件

・その系に、相互作用をしている多数の要素(エージェントと言います)の集団が含まれていること

・エージェントがフィードバックの影響を受けていること

・エージェントがフィードバックにより戦略を変更できること

・その系が周囲に対して「開いた」系であること

・「生きている」ように見えること

・極端な現象が起きる場合があること

・その極端な場合は全体を制御する中心的な存在によって起こされるわけではないこと

なるほど、金融市場は複雑系である条件に当てはまりそうですね。

複雑系の性質

次に複雑系の性質を見ていきます。

秩序ポケットが出現する

秩序ポケットとは複雑系において秩序のある状態をいいます。例を挙げますと、市場でいうトレンドが発生している状態や、道路でいう渋滞が発生している状態などです。

道路が渋滞している状態がなぜ秩序があるかといいますと、普段車は走行車線を走ったり追越車線を走ったり、早く走ったり遅く走ったりなどとバラバラです。しかし渋滞の時はみんな同じ行動をとります。どの車線にいてもとまって動いてを同じように繰り返すのです。こういったことから、渋滞は秩序がある状態だといえます。

複雑系は秩序がある状態とない状態を行ったり来たり、つまり秩序ポケットが出現しては消えてを繰り返しているのです。

フラクタルが出現する

フラクタルとは部分が全体と何らかの点で似ている図形のことです。↓のような図形です。

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市場においてのフラクタルで有名なものを一つあげるとすると、エリオット波動があります。チャールズ・ダウがダウ理論を発表した後に、発表された理論です。

複雑系について詳しく知りたい方は、複雑で単純な世界とい本がオススメです。

この性質を市場は持っているので、市場が複雑系だと仮定しても矛盾は起きません。

金融市場は複雑系である

複雑系の条件・性質を考えると、市場が複雑系なのは疑う余地がないでしょう。

市場に出現するトレンドとは秩序ポケットのことだったです。こうして、ランダムウォーク理論の矛盾を解決することができました。

市場はランダムな状態(ランダムウォーク理論が説明している状態)と秩序がある状態を行ったり来たりしているのです。